汗をかくと嫌な臭いやベタツキが気になりますよね。テレビの「トリセツ」という番組で汗の臭いやベタツキの原因と解消法を放送していたので、備忘録としてまとめました。

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テレビ番組の「トリセツ」 2023年6月分です。

汗の臭いやベタつきは年齢によって変わる!

汗の臭いやベタつきは年齢によって変わってしまいます。年齢とともに汗が変化しているんです。なんで変わってしまうのかの原因が分かれば、汗の臭いもベタつきもだいぶ解消できます。夏本番に怖い熱中症予防もできます。

歳をとると汗はしょっぱくなる

年を取ると体が変わるという話は聞いたことがありますが、歳をとると汗はしょっぱくなるそうです。大人と子供で同じ環境で汗をかいてもらって、汗の塩分濃度を測定してました。一般的な汗の塩分濃度は0.2から0.7%です。

高ければ高いほどしょっぱいということですよね。

子どもの汗の塩分濃度は0.2-0.5%。

 

子供だと 0. 4%、0.23%と低い数字です。

 

40代以上の汗の塩分濃度は1%いじょうになることも

しかし40代になると急に1.5%など、1%以上ということが分かります。2.5%になることもあります。

 

子供に比べると大人の塩分濃度は2倍ぐらいになることがあるようです。年代別の汗中のナトリウムイオンは20代に比べて60代は2.5倍という研究があります。

 

0.2%だと、ほとんど塩味を感じることはありませんが、2.5%になるとだいぶしょっぱいです。

なお 海の水の喉は3.4%程度です。

でもこれは問題ないんでしょうか?

 

実はいろんな問題があるんです。

 

塩分濃度によって汗の蒸発速度が違う

塩分濃度が低い方が蒸発が早い!

なんとしょっぱくない汗の方は早く温度が下がります。つまり 早く蒸発して熱を逃がしてくれます。水は蒸発する時に熱を奪います。 早く蒸発する方が冷たくなりやすいんです。

 

しかし、同じ量の食塩水を置いとくと、塩分の少ない水はあっという間に蒸発しますが、しょっぱい、塩分濃度が濃いほうはなかなか蒸発しません。

 

塩分濃度が濃いと暑さに弱くなって熱中症になりやすい

そうすると熱を逃がしにくいため、暑さに弱くなってしまうんです。 体温を下げられないんです。 つまり 熱中症になりやすいということですよね。

 

 

塩分濃度が濃いとベタベタや汗の臭いの原因に

汗のベタつきは塩分

他にも問題があります。汗が乾いた時にも問題があります。塩分濃度が濃い方は乾いてくるとベタベタするんですよね。この汗のベタつきは塩分だったんですね。

しょっぱい汗は、臭いやすい

さらに、しょっぱい汗は、臭いやすいんです。

 

臭いの強度は、ゼロだと無臭、 1だとやっと感知できる匂いとなります。強度 2だと 何の匂いであるかがわかる 弱い匂いです。汗がしょっぱいと、はっきりと汗臭さが出てきます。

 

年を取ると汗がしょっぱくなる理由

でもなんで年を取ると汗がしょっぱくなるんでしょうか。汗を分泌する汗腺ですが重要な役割があります。汗腺を調査した研究者によると、汗腺の3次元構造を可視化しました。

汗腺の中で周辺の血液が汗になる

感染がどう動いて汗を皮膚の上に押し出しているかが明らかになりました。筋肉繊維が螺旋状にこの汗腺を覆っていて、これが動いて汗を送り出していたんです。汗腺は毛細血管に包まれていますが、汗腺の中で周辺の血液が汗になる様子がわかりました。

汗腺は必要な成分をフィルターして外に出ないようにする

血液には塩分など体に必要な成分が含まれていますが、このまま汗として外に入れてしまうと必要な成分まで体の外に出てしまいますよね。そこで汗腺は汗を皮膚に送り出す前に、必要な成分をこしとって、体内に戻してくれているんです。

フィルター機能が落ちるとベタツキの原因になる

このフィルター機能が落ちていくと、体内の血液に含まれていた塩分がどんどん汗として外に漏れて、ベタつきの原因になってしまいます。

漏れ出した炭酸水素イオンが汗の嫌な臭いの原因

この時にもう1つ漏れ出すものが、炭酸水素イオンです。これが汗として皮膚にのって蒸発すると汗の嫌な臭いの原因になります。

 

若い汗腺と年取った汗腺が視覚化できた

大人になっても若い汗腺と年取った汗腺が視覚化できました。 若い汗腺に比べて、年を取った汗腺はちょっと潰れてしまったような感じなんですね。こうなると、体に必要な成分のこし取り機能が落ちてしまって、汗もしょっぱくなります。

 

普段 汗をかく 習慣があるかどうかが汗腺の老化の分かれ目

若い汗腺と年取った汗腺の人を比べると、普段 汗をかく 習慣があるかどうかによって汗腺がだんだんと潰れていってしまうようです。

 

普段から汗をかかない生活を続けていると、使われない汗腺も萎縮していく可能性があるのではないか、汗腺を使わないでいると衰えていくのではないかと考えられています。

 

 

汗腺の機能を改善させる方法

汗腺の機能を改善させる方法があります。特別な機械がなくても自分の汗の状態がわかる簡単なチェック方法もあります。長崎大学の室田裕之教授が汗の専門家です。

汗腺の機能チェックリスト

汗腺の機能ある程度予測する簡単なチェックリストがあるということです。 エアコンのきいた室内にいることが多い。座っていることが多い。運動する機会が少ない。汗の匂いが気になりがちだ。汗をかくと肌がベタつく。暑いと心拍数が高くなる。暑いのに皮膚が冷たく感じる。

 

結構多くが当てはまると、汗腺が衰えている可能性があるということです。実際今の大人は汗をかく機会が減ってるので、そうすると汗腺機能が落ちてしまっている可能性があります。

汗腺を鍛える方法はある

汗腺を鍛える方法はあります。、汗腺の潰れが元に戻るかどうかは分かりませんが、汗腺のフィルター機能が回復することは分かっています。

 

香りで汗をコントロールできる

汗を止める制汗剤はいろんなものが出ていますよね。最近では「香りで汗をコントロールできる」という研究が行われています。 汗の出方が匂いで調整できるという研究を行っているそうです。花の金木犀の匂いが期待されてます。キンモクセイの香り成分を被験者に塗って比べると、なんと汗の量が47%の減少しました。汗に関する病気の治療薬に役立てられないかということで研究されています。

しわやたるみも汗腺の潰れが原因かも

汗腺と肌の悩みも研究されています この汗腺の変化を見つけたのは 化粧品メーカーの方です。 年を取って出てくるしわやたるみ、肌の深い部分がたるんでしまってるのが原因だということです。 汗腺が潰れて、皮膚の深い部分に空洞ができると、肌のハリが失われる可能性があるということです。

 

暑熱順化で汗腺を鍛えて汗を若返らせる

汗腺の機能を取り戻すための方法、それが暑熱順化というものです。これが汗を若返らせるポイントです。

 

消防隊員の暑熱順化トレーニングを参考に

ものすごく汗をかくのは消防隊員さんですよね。 暑熱順化トレーニングという、汗をかく トレーニングを行っています。火災現場で働く 想定で暑熱順化を取り入れることで熱を徐々に体に慣れさせていくのが目的だということです。火災現場は何百度という熱ですからね。こういうトレーニングをやっていないと、仕事中に熱中症になってしまいます。
汗をかいて、汗腺機能を鍛え直す、早く汗で体を冷やす体づくりをするためのトレーニングです。

あなたの汗腺の機能も落ちている

普段、汗をかかない生活を続けてると、本当に熱い環境でサウナスーツを着ていても汗をかなくなってしまいます。それぐらい汗腺の機能は落ちるんですね。まずは暑いところで防火服を着て運動したりします。体は暑い環境に置くのが ポイントです。 さらにそこからスクワットをしたり、腕立て伏せをしたり といったトレーニングを行います。 消防隊の方は どんどん汗をかいて行きますが、普段汗をかいていない人は、なかなか 汗をかかない代わりに、顔が真っ赤になったりしてしまいます。

深部体温を上げるのがポイント

さらにハードなトレーニングを続けていきます。長時間運動することで深部体温を上げています。やはり 汗をかかないと体の中に熱がこもってしまうんですね。やっぱり足まで汗をかいてますね。 継続して汗をかくことで、暑さに慣れさせるのが ポイントです。

 

普段から汗をかいていれば塩分濃度も子供と同じぐらい

やはりこのような消防隊員は、塩分濃度も子供と同じぐらいなんですね。汗腺のこしとり機能はしっかりと働いているようです。 これはやはり日常的に運動するのがいいようですね。

気象協会の暑熱順化前線

暑熱順化前線というものも 発表されています。2022年から発表されました。 気象協会です。熱中症は調子が悪くなるだけでなく、本当に死亡者数も多くなってますからね。西日本では6月下旬から、関東では5月中旬からやった方がいいということです。

 

暑熱順化の方法

でも 実際、 暑熱順化、 何をすればいいんでしょうか。 環境省によると運動の目安はやや暑い環境で、ややきつい 強度の運動を、毎日30分ほど続けることです。

 

実際に汗を研究する学者さん達も、ハイキングをしたりして汗腺を鍛えているようです。 あえて 厚着をして、徒歩通勤をしてます。 やっぱり30分ぐらい歩くのがいいんですね。 自然の変化を感じながら、しっかりと腕を振ってウォーキングすると、なんとスーツも汗びっしょり。でも汗ならさらさら なので 乾きやすいということです。

運動による汗が重要

運動による汗が重要です。運動なので深部体温、血液の温度を上げることで効率的な発汗につながります。辛いものを食べて発汗するのはそれで暑熱順化になったという 科学的根拠はありません。 ただ そういったことで日頃から汗を出す習慣をつけるのも、悪いことではないということです。サウナでは体の表面の温度しか分かりませんからね。

手足温浴法

もうちょっと簡単な方法が、手首足首をお湯に入れ、つける方法です。 お湯を手首足首が浸かるぐらい入れて、体をじっくり温める方法です。手足温浴法です。42度のお湯に手首と足首をつけて、30分浸かる方法です。お尻も浸かってますが、それぐらいです。

 

手足には体温調節 ための特別な血管が無数にあります。 こうすることで血液を回避して効率的に深部体温を上げて、汗腺機能の改善が期待できます。 半身浴よりさらに 効率的ですね。20代でも汗がべっとりという人もいます。手足温浴法、初めてでも意外と簡単にどんどん汗をかきます。

 

2週間継続すると、やっぱり汗をかき始めるまでの時間も短くなっていますし、塩分濃度も3割から4割減っていました。汗腺のこしとり機能が改善されていると見られます。30分 お湯に浸かるだけなので簡単ですね。最近だとお風呂でスマホの動画を見ていてもいいですからね。 ただのぼせたりしないようには注意してくださいね。

 

しょっぱい汗は大問題なので、 暑熱順化 から始めて健康的な汗を かいて、健康的に汗をかきましょう。 やや暑いところで30分ほど運動する。 または 2週間ほど運動と温浴法 を混ぜても OK です。

暑熱順化の注意点

しかし 当然 注意点はあります。 もともと汗をかきにくい人はいきなり汗をびしょり かくのは難しいです。 徐々に汗をかいていきましょう。 また汗をかいたら早めに洗い流したり、拭き取ったりすることで、皮膚への ダメージを抑えましょう。 そしてそれで熱中症になった意味がありませんので、 水分と塩分の補給を忘れずにしてください。